あらすじ
木や鉱石といった死んだ物質は魔力を拒絶し、術者の掌を骨ごと炭化させる。
息を吸い、肺を満たし、血を巡らせる――人間の肉体こそが唯一無二の触媒である世界。
極寒の寒村で家族を飢えで失った少年、テラ・ベルジェ。
彼がメルキオーレ魔術学院へ送られたのは、村の生き残りを賭けた「食料配給の手形」としてだった。
成績を落とせば即座に除籍、故郷は全員餓死。
首に麻縄を巻かれたような絶望の中、手に入れたのは、他人が床に撒き散らした魔力の燃え殻を吸い込み、硝子の檻に閉じ込めてぶつけるだけの、醜悪な「泥棒の小細工」だった。
名門エリートたちが優雅に呪文を紡ぐ学び舎で、テラと同じく世界の隅へと追いやられた者たちが出会う。
血統を呪い、折れぬ直剣を佩く異端の前衛・エヴァン。
没落の借財に抗い、完璧の型にすがる参謀令嬢・ルナ。
才能を弄ばれ、感覚の超火力を放つ傲岸な小隊長・リゼット。
衝撃を吸い取る悪知恵のトリックスター・エリクス。
そして、感情を殺し、汚れを消去し続ける謎の特例生・クロエ。
「不純物」「落伍者」と切り捨てられた六人は、生き残るため、互いの欠陥を凶器へと変える冷酷な契約を結ぶ。
だが、彼らが勝ち上がった先に待っていたのは――
この国の美しい魔術文明そのものが、地下深くで生きたまま魂をすり潰されている「一人の少女の生贄」の上に成り立っているという、おぞましい真実だった。
「誰かの地獄の上に成り立つ光なら、そんなもの全部叩き壊してやる」
理不尽な国家の欺瞞と、忍び寄る聖賢騎士団の断罪。
持たざる者たちが泥水を啜り、手を取り合い、世界の檻を打ち破る――本格ダーク・学園魔術戦記!
(全20話・完結済み)
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』