あらすじ
高校時代、僕には大切な友人がいた。
いつも自然体で、誰とでも気さくに話す篠原亮。
その横顔を、僕は放課後の教室で何度もスケッチしていた。
ただ、好きだった。
けれど、その気持ちを知られてから、僕たちの距離は少しずつ変わっていった。
それから十年。
フリーランスのWebデザイナーとして働く僕のもとに、ある仕事の依頼が届く。
依頼主の名前を見た瞬間、時間が止まった。
――篠原亮。
忘れたつもりだった、あの頃の友人。
もう二度と会うことはないと思っていた相手と、仕事を通して再び顔を合わせることになる。
変わったところもあれば、変わらないところもある。
あの頃、聞けなかったこと。
言えなかったこと。
そして、しまい込んだままにしていた気持ち。
今度こそ、逃げずに向き合うことができるのだろうか。
一枚のスケッチから始まった、二人の時間がもう一度動き始める。