あらすじ
気がついたら、河原にいた。
ここにいてはいけないと本能的に思い、その場から慌てて逃げ出す。
そうしてたどり着いたのは――風情ある小料理屋『心』
出迎えてくれた息を呑むほど美しい店主(元・鬼)は、川は三途の川、そしてここは迷える魂がたどり着く場所だと言う。
混乱する『私』に、彼は尋ねた。
「なにか食べたいものはありませんか?」と――。
料理は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚――五感すべてで楽しむもの。そのため、料理にかんする記憶は強く残っている可能性が高い。美味しいもので、魂の中に眠る、身体に戻るために必要な記憶を呼び覚ますという。
そうして千年以上、迷える魂を救い続けてきた彼――元・酒呑童子の蘇芳。
でも、『私』だけはどうしても帰る場所を思い出せなくて…。
それには、どうやら蘇芳が関係しているようで――?
迷ってしまったあなたに優しく寄り添います
あなたの記憶を呼び覚まし、現世へ戻るお手伝いをする――
元・酒呑童子の料理屋『心』にお任せください