あらすじ
「魔物と握手でもしてろ。お前にはお似合いだ」
大手クランの生配信で無能扱いされた権田力也、三十五歳。職業はプロのアームレスラー。授かった能力は、握り合った片腕の力を互角にする〈握手〉だった。
だったら、お望みどおり握ってやる。
最初の相手は、攻略不能の牛頭王。
「力が同じなら、余が負けるはずなかろう!」
「その台詞、負けたあとも使っていいぞ!」
巨大な肘が机につき、世界中の視聴者が息を呑む。
勝って受け取るのは、ボスが独占する大陸間の通行門。負けたボスが要求するのは、もう一回。
俺を晒したクラン長の解説だけが、試合のたびに信用を失っていく。