あらすじ
ヴァレリア・ロズワール伯爵令嬢は、美しく生まれすぎた。
慎ましいドレスを着ていても「男を惑わせる」と噂され、外出すれば「男遊び」と決めつけられる。十六歳のデビュタントでは、妻のいる男や年上の男たちから次々と言い寄られる。
けれどヴァレリアは、噂とは違ってふしだらではない。ただし、悪女ではあった。
自分に無関心な父。娘を疎み続ける母。体裁のためだけにヴァレリアを妻にしようとする婚約者。
彼らがヴァレリアを何も知らない小娘だと思っている間に、彼女は二年もの時間をかけ、ある計画を進めていた。
やがて伯爵家の不正が発覚し、両親も婚約者も次々と破滅していく。そのすべてを調査することになったのは、若く誠実な調査官カリルだった。
そしてすべてを手に入れたヴァレリアは、生まれて初めて出会った「誠実な男」に興味を持つ。
ふしだらではない。可哀想な令嬢でもない。これは、生粋の悪女が自らの望むものをすべて手に入れた末に、最後に恋を始めるかもしれない物語。