あらすじ
秋雨の金沢で、雨の日に突然意識を失う人が相次いでいた。
調査のため現世へ派遣されたのは、冥府庁調査課の神崎イサナと黒野アイリ。
初めて訪れる金沢に少し浮かれる神崎をよそに、二人はひがし茶屋街で奇妙な噂を耳にする。
――夜になると、老舗の人形店「蓮月堂」の人形が増えている。
昨日まではなかった顔。
いつの間にか変わっている並び。
そして、人形が増え始めた頃と重なるように起きた、雨の日の意識不明事件。
二つの出来事を追ううちに、神崎とアイリは、人形に残された過去と、それを手放せずにいる人々の想いへ辿り着いていく。
残すことは、忘れないことなのか。
手放すことは、忘れてしまうことなのか。
秋雨の金沢を舞台に、死者と生者の間に残された「心残り」を辿る、冥府庁調査課の出張記録。
※シリーズ作品ですが、本作単独でもお読みいただけます。