あらすじ
白銀湖のほとりには、心に宝物を持つ人々が暮らしている。
恐れや妬みを抱くことはあっても、それに心を支配されず、互いを尊重して生きる人々だった。
ある冬、街に一人の旅人が訪れる。顔の傷を布で隠し、誰とも深く関わろうとしない彼は、見返りを求めない親切に戸惑いながら、少しずつ心を開いていく。
だが、春を前に兵士たちが現れ、旅人を差し出すよう命じた。
彼の正体は、滅ぼされた国の王子。生きていることが罪だという。
街を守るため、一人で去ろうとする旅人。その手を、一人の子どもが握った。
「一緒に下がろう」
恐怖に震えながらも、人々は手をつなぐ。
そのとき、古い伝承の眠る白銀湖に、白い光が流れ始めた――。
傷ついた旅人と、心の自由を守る人々の物語。
十年後に戻ってきたら、子どもだった王子様が私より年上になっていました。~アレク、あなたはいつの間に大人になったの?~ のなかでリシアがこのお話の一部を朗読しました。