あらすじ
オカルト研究部の竹井はSNS時代をバズれば勝ち、バズれなければ負けと見ていた。ある夜、部のグループチャットが動く。そこは部員が学年関係なく振る舞えるようにニックネームでの登録が推奨されていたが、「池山」と登録するような人物もいた。
話題のうちにかつてネットを騒がせた「cicada3301」が挙がる。世界を巻き込んだ謎解きに部員たちは無邪気に盛り上がる。
翌日、国語の授業でAIに対する考え方に触れた竹井は帰ってから実際に触れ、そこであるイタズラを思いつく。
日曜日、竹井は友人の西岡を巻き込み、デパートでスマホのネットワーク接続画面を撮影する。動画をAIで加工して一覧に「cicada3301」の文字が現れるようにし、偶然見つけたふりをして部のチャットに投稿する。竹井が期待したのは部のチャットが盛り上がることだった。
翌朝、登校中にSNSである動画が話題になっているのを竹井は見つける。それは昨日に部のチャットに上げたものだった。しかし竹井は誰がこの動画を外に流したのかを突き止めることにまで頭が回らない。
拡散は海外にまで及び、答えなど存在しないはずの動画から「解読が進んだ」という投稿まで現れる。外部に出したのは自分ではないと言い聞かせる竹井だが、やがて「シカダの関係者か」と叫ぶ男が人を傷つける事件が報じられる。
やがて拡散元を見つけることに思い至った竹井は「池山」の名前にぶつかる。
竹井は池山を突き止めるため部長に掛け合い、部員全員が集められる。ニックネームと本人を一人ずつ照合していくが、最後に呼ばれた池山の手は挙がらない。池山という生徒は学校のどこにもいない。
その夜、竹井のもとに池山から個人宛のメッセージが届く。本文はなく、羽を広げたセミの白黒画像だけが添付されていた。竹井は部屋に隠しカメラがないか探し、窓を開けて外を確かめるが、そこには夜の闇が広がっているだけだった。