あらすじ
鎌倉時代。
二階堂家には、少し変わった父親がいた。
大江広元に見出され、京で働き、家族に妙な考え方ばかりを残して死んだ父・直成。
「記録は残しておけ」
「分からないことは、まず調べろ」
「偉い人が言ったからといって、正しいとは限らない」
どうやら父は、この時代の人間ではなかったらしい。
けれど、その息子たちが天下を取るわけではない。
歴史を大きく変えるわけでもない。
鎌倉で働き、飯を食い、兄弟で揉め、母に叱られ、恋をして、それぞれの人生を生きていく。
ただ、父が残した少し変わった家風は、家族を通して、ほんの少しずつ周囲の人々へ伝わっていく。
これは英雄の物語ではない。
鎌倉時代を、妙に賑やかに生きた一家の物語である。