あらすじ
人気Vtuber「星空めぐる」の「中の人」であり、自らモデルを描き上げるイラストレーターでもある長谷川朔は、新衣装お披露目配信を二日後に控え、深刻なスランプに陥っていた。技術的には完璧でありながら、画面の中の「めぐる」には命の温もりが感じられないのだ。
焦る朔に対し、配信の裏方で幼なじみの日向は「バズりや計算ばかりで魂がこもっていない」と容赦なく指摘する。日向の提案で、新衣装のテーマである「雨上がりの卒業式」を題材に即興の掛け合い演技を始めたふたり。
「泣きたいのを必死で耐え、大好きなリスナーのために精一杯つくってみせる優しい嘘の笑顔」——会話を通じて少女の胸にあるストーリーと感情を掴み取った朔は、一気にペンを滑らせ、見違えるように生々しい感情を宿したモデルを完成させる。
そして迎えたお披露目配信の夜。画面越しに溢れ出した「めぐる」の切なくも美しい笑顔は、数万人のリスナーの心を激しく揺さぶり、大きな感動の渦を生み出すのだった。