あらすじ
小さな会社で働くSEの清彦は、流白神社へのシステム導入をきっかけに、若い宮司と出会う。
ある日、その宮司から突然「あなたは白龍様です」と告げられるが、清彦には思い当たることがない。
もともと清彦は、困っている人を見ると放っておけない性分だった。
けれど人に手を差し伸べたあと、決まって原因のわからない体調不良に襲われるようになる。病院でも理由はわからず、不調はただ静かに清彦を蝕んでいく。
そんな彼を救ったのは、流白神社の宮司による祓いだった。
清彦の不調は、助けを必要とする人の負の気を無自覚に引き寄せてしまうために起きていたのだ。
なぜ自分にそんなことが起こるのか。
なぜ宮司は自分を白龍と呼ぶのか。
古文書に記された伝承をともに読み解くうちに、清彦は自分の内にある力と、その意味に少しずつ向き合っていく。
これは、誰かを少しでも楽にしたいと願ってきた一人のSEが、自分を守ってくれる存在と出会い、やがて隣に並び立つまでの物語。
誰かのために伸ばした手は、やがて彼自身を救う手へと繋がっていく。