あらすじ
十三歳のある日、村の勇者の紋章が自分の前で光った。
そして幼い頃、祖母にも言われたことがある。
「まるで勇者様のようだわ」と。
それから三年。
魔王が現れた。
「……ついに俺の出番だ」
ところが王国が勇者として選んだのは、セインではなく別の男だった。
なら話は簡単だ。
そいつより先に魔王を倒せば、自分が本物の勇者だと証明できる。
そうして旅立ったセインだったが――肝心の魔王がどこにいるのか知らなかった。
頼りになるのは、他者のスキルをコピーする固有スキル《簒奪》。
ただし、コピーしたからといって使いこなせるわけではない。
《粘糸》《吸着》――地味で妙なスキルを集め、仕組みを理解し、組み合わせながら少しずつ強くなっていく。
そして道中で出会った、王都と流行が大好きな少女ピエナとともに、王国の勇者を追いかけるのだが――
困っている人を見るたびに寄り道。
薬草を集め、髪飾りを探し、役所みたいな町務斡旋所で仕事を受ける。
本物の勇者を追っているはずなのに、なぜかサブクエストばかり増えていく。
王道RPGの横で、自称勇者が変な攻略を始める。
ギャグ寄りファンタジー冒険譚。