あらすじ
日本海に面した人口六万人ほどの地方都市、楓市。
この街には昔から、いくつかの都市伝説がある。
廃墟となった「Vホテル」。
人を海底へ引きずり込むという松山海岸。
そして近ごろ、新たに囁かれ始めた「幸運の石」。
「持っていれば幸運が訪れる」
「この街の人にしか効かない」
「二つ以上持つと不幸になる」
噂だけがひとり歩きするなか、パチンコ好きの田中と中村、スーパーで働くさなえ、釣り好きの警察官・浜田たちのもとへ、不思議な石がひとつ、またひとつと転がり込んでくる。
けれど、その石は本当に「幸運の石」なのだろうか。
ごく普通の人たちの暮らしの中を巡りながら、やがて石に隠された遠い昔の小さな記憶へとつながっていく。
地方都市の日常と、少しだけ不思議な出来事を描いた物語。