あらすじ
十万円をケチった結果、俺は六百年寝過ごした。
冷凍睡眠から目覚めた地球人の俺を待っていたのは、見知らぬ少女と、奇妙な生物が闊歩する遥か未来の火星だった。
しかも火星は、あと一年で人が住めなくなるらしい。
主要な人間たちはすでに別の星へ逃げ、残された人々にまともな打開策はない。
そんな状況でなぜか俺は、火星を救うための一行を集めることになる。
集まったのは、科学者なのに機械のことはさっぱりな引きこもり動物学者。パイロットとして呼ばれた、ただのタクシードライバー。
機械を見ると異常なほど興奮する変人技術者。
そして、実戦経験よりゲームの腕前を誇る短気な自称戦士のゲーマ。
……本当にこいつらで火星を救えるのか?
それでも俺たちは、生き残るために火星を巡る。
壊れた施設を直し、未知の生物と戦い、失われた土地を取り戻す。
その途中で俺は、六百年前の地球にあった「ちょっとだけ人生が楽しくなること」を仲間たちに教えていくことになった。
美味いものを食べる。
ゲームをする。
くだらないことで笑う。
行ったことのない場所へ行く。
世界が終わるとしても、今日までつまらなく生きる必要はない。
これは、滅亡まで残り百日の火星で、生き残る方法と――生き残りたいと思える理由を探す物語。