あらすじ
古く誇り高きエラリス一族のエルフ・カエルは、100年もの間、日陰の存在として生きてきた。魔法の才能もなく、剣の腕もなく、発言権すら持たない、一族最大の恥辱として。彼の命は名もなき雪山の峠で何者かの手によって断ち切られ、その後に続いたのは300年もの絶対的な闇だった。
だが、死は終わりではなく、ただの小休止に過ぎなかった。かつては栄華を誇りながらも現在は零落した貴族の末裔である若きエルフ、エリアン・ウォルターとして転生した彼は、二度目のチャンスを手にする。最初は他者の痛みの断片や奇妙な幻影にすぎなかったが、成長するにつれて過去の封印が解け、かつての知性、野心、そして秘められた才能が呼び覚まされていく。
弱者が容赦なく踏みにじられる過酷な世界『エラリア』。ここで生き残るのは、死体の山を越えて他者を捨て駒にする者たちだ。
無名の子どもから、運命に慈悲を乞うことなく、自らの鉄の意志でこの世界を支配する冷酷な捕食者へ——エリアンの成り上がりの道が、今始まる。