あらすじ
貸したのは、Lv1の小さな火魔法。
一晩たって帰ってきたのは、Lv4の火魔法だった。
14歳の修理屋の息子リオが、教会で授かった特殊スキルは《貸与》。
覚えたスキルを人に貸せて、貸している間も自分で使える。最初は1人にしか貸せなかったが、返ってくるうちに、貸せる相手も増えていく。
窯の火加減に困っていたパン屋のマルタさんに、火魔法を貸した翌朝。返ってきた表示には、こう書かれていた。
〈火魔法 Lv1→Lv4/新たな使用形式:均等加熱・温度維持〉
借りた人が仕事で磨いた工夫ごと、スキルは育って帰ってくる。
「よかったら、僕のスキル、使ってみませんか?」
解体場の職人、倉庫の荷運び、大工、苗屋、井戸職人、門の衛兵。
誰かの仕事を助けるたびに、リオのスキルは町じゅうの技を覚えて強くなっていく。
パンを焦がさないための火が、牙狼の群れを食い止める。毛皮を傷めないための刃筋が、硬い甲羅の隙間を捉える。
自分のお金で剣を買いたい。父さんに新しい工具を贈りたい。いつか、まだ見たことのない海へ。
これは、町の職人たちにスキルを貸していたら、いつの間にか強くなっていた少年の物語。
【更新予定】
初日は第01章(序話を含む26話)を一括公開。10月4〜10日は毎日3話、10月11日からは平日1話・土日祝3話を、毎日20時に更新します。