あらすじ
「……汚いですよ?」
「私が掃除しますよ」
七瀬円、二十八歳。特別養護老人ホームの介護士。
他人の親の身体には毎日触れているのに、
父の靴には、手が伸びなかった。
雪村享、二十八歳。遺品整理と特殊清掃。
細身で、前髪が目にかかっていて、両耳に細い銀のリング。
腕と背中に、何の形にもなっていない模様がある。
父が孤独死した。
遺品整理を頼んだ三社目。この男だけが、お悔やみを言わなかった。
「あ、先に言っとくけど、多分あんた部屋ん中入れないタイプだよ」
――入れなかった。
部屋を見ただけで、男は父がどんな人間だったかを全部当てた。
初対面の業者のほうが、娘より父を知っていた。
触れない女が、触られて、やがて触りに行く。
その手の下にあるのが、人を殺した男の背中だったとしても。
※孤独死・遺品整理の描写があります
※ヒーローには前科があります
※同い年/訳あり/死生観/執着/避妊なし・中出しあり
※性描写に至るまで長めです。ハッピーエンドです