あらすじ
美容師の深町澪は、客の「こうなりたい」を聞く前に、似合う未来を先回りして提案してしまう。ある春、勤務先Lienは近隣サロンrillと組み、六人の参加者の髪の変化を一年かけて記録し、小さな展示を四季ごとに開くことに。ところが相手側の技術担当は、二年前に別れた美容師・久世暁だった。
厨房に立つ遼とは、客と美容師の線を越えて付き合い始める。役作りで髪を伸ばす俳優の透とも、やがて恋人になる。恋は始まり、終わる。それでも参加者たちの髪は、本人が選んだ時間のぶんだけ伸びていく。
「似合う」を決めることと、その人の選択を支えることは同じなのか。切る側だった澪が、仕事も恋も、自分の答えを急がず選び直していく一年間の物語。