あらすじ
一歳になったばかりの息子・春太(はるた)を育てる専業主夫の理玖(りく)は、家事も育児も一人で背負い、心も身体も限界まで追い詰められていた。
生活を支えていることを理由に、理玖の自由を奪い、家事も育児も当然のように押しつけるDV癖がある夫の一真(かずま)。
それでも理玖は、愛する息子・春太のために耐え続けていた。
そんな、ある雨の夜。
春太の夜泣きに苛立った一真の言葉をきっかけに、理玖はとうとう家を飛び出す。
行く場所はない。
頼れる人もいない。
財布の中身は、たった四十円。
雨に濡れながら公園で途方に暮れていた理玖に声をかけてきたのは、偶然通りかかった大学生・蓮(れん)だった。
「よかったら、一晩うちに来ますか?」
見知らぬ年下の青年。
警戒するべきだと分かっているのに、蓮のまっすぐな優しさに、張り詰めていた理玖の心は少しずつほどけていく。
傷ついた心を抱えたまま、息子と自分の人生を取り戻すために歩き出す理玖。
そして、そんな親子に寄り添う蓮。
壊れかけた家族の向こう側で、理玖が見つける「本当の幸せ」とは――?