あらすじ
千葉県野田市——かつて醤油醸造で栄えた街は、一瞬にして不熱性の地獄と化した。
流出した極秘バイオ兵器『C.A.T.-09』。
それは、タンパク質と鉄を無差別に分解・発酵し、自らの細胞へと還元する歩くバイオハザード。
街を覆うのは、焦がし醤油の甘い香気と、全肯定の多幸感を放つ不気味な粘糸の網だった。
消息を絶った先遣隊百二十名を追って、隔離区域へ潜入した陸上自衛隊・特殊作戦群「第3バイオゲリラ小隊」。
隊長・蓮見誠大尉は、過去のトラウマから逃れるように自らの太ももを刃物で刻みながら、死地を進む。
銃弾を呑み込み、切断を一瞬で再生する合体巨獣。
仲間たちが「苦痛なき救済」の多幸感の中で、笑みを浮かべたままま次々とアミノ酸スープへと溶けて消えていく絶望。
そして、怪異の中枢『マザー・ナッツ』の頂点に眠っていたのは、八年前の爆発事故で死んだはずの妹・葵だった。
「痛みを捨てて溶け合える世界」か、「傷つき、血を流しながら歩む明日」か。
極熱と絶対零度の戦術を駆使し、血塗れの兵士が人間性の尊厳を賭けて突き進む、重厚ハードSFミリタリーホラー!
※何でも読んでくださる、ある方に捧ぐ