あらすじ
人間の国アルメリと、魔族の国マジリア。
二つの国の間に長く緊張が続くなか、その狭間に位置する中立国ヴェルシェには、一風変わった研究機関が存在していた。
──アストルム魔術研究所。
古代魔法の解析や魔術技術への応用、術式媒体の開発などを担うこの研究所では、種族や出身の異なる研究者や技術者たちが、それぞれの専門を生かして働いている。
そんなある夜、研究所の最高責任者であり星詠でもあるノヴァは、夜空を巡る星々の動きに小さな異変を見つける。
星が示していたのは、やがて研究所を訪れる二人の存在だった。
マジリアから逃れてきた、闇属性の魔族の少年・ドロワ。
アルメリからやってきた、元軍人の青年・ロッツ。
本来なら交わることのなかった二人は、中立国ヴェルシェで出会い、やがてアストルムへと足を踏み入れる。
彼らの来訪をきっかけに、それまで穏やかだった研究所の日常は少しずつ変わり始め、長く均衡を保ってきた三国の関係にも新たな動きが生まれていく。
星を詠む者。
魔法を研究する者。
過去を背負う者。
そして、自分の居場所を探す者。
さまざまな事情を抱えた者たちが集い、ともに日々を過ごすアストルム魔術研究所。
これは、彼らが互いに関わり合うなかで自らの過去と向き合い、それぞれの未来へと歩んでいく物語。
夜空に浮かぶ星々は、彼らの行く末を静かに見つめている。