あらすじ
隣国の侵攻によって、城も、森も、人々さえも――次々と「お菓子」に変えられていく王国。
十歳の第一王子レオンと、八歳の弟ノアは、父と母を城に残したまま、命からがら森へ逃げ延びる。
二人がそこで出会ったのは、妖精なのに空を飛べない少女ミエル。
さらに旅の途中で、口が悪く、お金にうるさく、どう見ても聖女らしくない聖女セラまで仲間になってしまう。
子どもの王子が二人。
飛べない妖精が一人。
そして、聖女らしくない聖女が一人。
剣の達人もいない。
大魔法使いもいない。
世界を救えるような英雄なんて、一人もいない。
それでも四人は、お菓子に変えられた王国を取り戻すため、隣国ドルチェリアを目指す。
やがて彼らは気づいていく。
「できないこと」は、必ずしも「役に立たないこと」ではないのだと。
これは、誰からも英雄になれるとは思われなかった四人の、小さな冒険の物語。