あらすじ
王宮紋章局で働く登録官エルナは、
ある伯爵家の「継承紋章」を審査していた。
提出された家系図は整っている。
古い証書にも、それらしい印章がある。
けれど紋章の右上に描かれた銀の鹿だけが、おかしい。
その意匠を使える家系は、二百年前に途絶えていた。
エルナは登録を保留するが、
晩餐会の準備を急ぐ上司は「古い記録の細部だ」と判断し、申請を通してしまう。
三日後。
国王主催の晩餐会でエルナが見つけたのは、
その紋章が印刷された正式な席札だった。
しかも招待客は、王家との新しい交易契約を結ぶ予定だという。
エルナが頼ったのは、勘ではない。
三日前に自分で残した審査記録と、
王宮文書庫の青年ルーカスが見つけた一冊の古い台帳だった。
王宮紋章官×偽装家系×記録調査×程よいざまぁ×お仕事恋愛。
一話完結です。