あらすじ
かつて、一日に三つものダンジョンを攻略した伝説のパーティがあった。
卓越した連携と圧倒的な攻略速度を誇る四人組――だったのだが。
ある日、リーダーのヴァンキッシュは「パティシエになりたい」と言い出し、メイプルは裏方の仕事を、ウィルヘルムは自分探しを、フォンは子供たちと関わる仕事を始めたいと、それぞれの夢を語り始める。
こうして、十年間ともに冒険してきたパーティは円満解散。
しかし、いざ新しい人生を始めてみると、菓子作りも、裏方仕事も、自分探しも、子供との仕事も、思っていた以上にうまくいかない。
そして一週間後。
四人は、なぜか再び冒険者ギルドに集まっていた。
そこで彼らが選んだのは、かつてとは全く違う冒険の仕方。
これまで四人が別々に動き、それぞれの役割を完璧にこなしていたからこそ、彼らは誰よりも速くダンジョンを攻略できた。
今度は違う。
四人全員で、同じ場所を歩き、同じ敵と戦い、同じ景色を見る。
最速の伝説だった彼らが、たった一つのダンジョンを、ゆっくり攻略する。
これは、人生の「効率」ばかりを追い求めてきた四人が、もう一度、冒険そのものを楽しむ物語。