あらすじ
この世界には、魔法使いがいるらしかった。
とは言っても、その存在は物語の中にいるような特別な存在ではなく、学校に通ったり、仕事をしたり、人と話したり、普通の人間と同じような日々をただ生きている。
唯一違うのは、彼らには「魔法」が使えるということ。
それだけ。
そんな世界で、一人の少年は五人の魔法使いと出会う。
ある者は、大切な人を失ったことで心を閉ざしていた。
ある者は、自分の力を恐れ、誰かと関わることを諦めていた。
ある者は、過去の罪から逃げ続けていた。
ある者は、何をしても自分には価値がないと思っていた。
その者たちには、それぞれ誰にも言えない傷があった。
少年は、そんな者たちと関わる中で、少しずつ彼らの過去を知っていく。
魔法では、人の心を直接変えることはできない。
だから少年は、魔法ではなく、自分の言葉で、行動で、そして時にはただ隣にいることで、彼らと向き合っていく。
五人の魔法使いが抱える「傷」は、果たして消えるのか。
そして五人を変えていく旅の果てに、少年自身が抱えていたものとは――――。
これは、特別な力を持った五人の魔法使いと、彼らを変えようとする一人の少年が紡ぐ――――
「人が誰かと出会うことで変わっていく」物語。