あらすじ
古代に栄えた文明が滅びてから、数万年。
冷凍睡眠から目覚めた少女、シエルは、数万年後の世界でひっそり暮らしていた。
小さな身体に白い髪。
冒険者になったばかりのシエルは、薬草を集めたり、簡単な仕事をしたりしながら日銭を稼いでいる。
「今日も美味しいお肉が食べたいなぁ」
それが、彼女の一番の願いだった。
彼女はかつて世界中を結んでいた「転移ポータル」を管理する家系の技術者。
とはいっても、冒険がしたいわけでも、大金持ちになりたいわけでも、失われた古代文明を復活させたいわけでもない。
生活費を稼いで、お肉を買う。
お腹いっぱいお肉を食べたら、古代文明の遺した海辺の家へ帰る。
そんな、のんびりした毎日を過ごすつもりだった。
――けれど最近、この国の近辺では奇妙な事件が起きていた。
鳥が突然消える。
動物が消える。
荷物が消える。
そして、ときには人間までもが姿を消す。
人々はそれを「神隠し」と呼んで恐れていた。
これは、世界を救いたいわけではない少女が、美味しいご飯とのんびりした時間を求めながら、古代文明の遺した転移ポータルをこっそり修理していく物語。