あらすじ
魔力がすべてを決めるエーテリオン皇国で、侯爵令嬢クララは「魔力ゼロの無能」と呼ばれていた。
家族からも期待されず、社交界でも蔑まれる彼女には、誰にも理解されない大切なものがある。
――前世から愛してきた、ピアノだった。
そんなある日、クララの演奏を偶然耳にしたのは、皇国最強の魔術師アラスター・フォン・シュトルム。
強大すぎる魔力を持つがゆえ、常にその力に苦しめられてきた彼は、クララのピアノを聴いた瞬間、初めて心から安らぐことができた。
「もう一度、君の演奏を聴かせてほしい」
誰にも必要とされなかったクララの音楽を、初めて必要としてくれた人。
けれど、彼女の演奏が起こす奇跡には、誰も知らない秘密があって――。
これは「無能」と呼ばれた令嬢が、音楽によって最強の魔術師を救い、自分自身の居場所を見つけていく物語。
必要だったのは、魔力ではなかった。
彼女にしか奏でられない、音楽だった。