あらすじ
戦国の世。
恭順の意を示した隣国の大槻家から、三男義高が人質として送られてきた。
藩主はまだ元服も迎えていない十歳の大槻義高を哀れに思い、幼い子供のいる国家老の家に預ける事にした。
国家老の家には二歳年下の、儚げで美しい大津という深窓の姫君がいる。
二人は仲睦まじく日々を暮し、いつしか互いに深く思い合うようになってゆくが、大津は幼くして兄たちを無くした両親が「女子の姿で育てれば無事に育つ」という切ない願掛けのために、男子であることを隠して育てられた「偽りの姫」であった。
成長と共に隠し切れなくなる真実、そして大津の秘密に勘付き、よこしまな思いから強引に奪おうとする藩指南役の息子、高坂。
危機に瀕した大津を救い出した義高は、大津の運命を受け止め「武士を捨て、二人で生きる」という究極の選択をするのだった。