あらすじ

九月なかば、見知らぬ町の民俗資料館から、一通の手紙が届いた。 「潮見郡へ来い。環島へ渡れ。夜にも渡れ」 差出人の名はない。けれど、その筆跡は、まぎれもなく俺自身のものだった。 手紙に導かれるように海辺の町を訪れた俺は、環島にまつわる「潮返り」という古い伝承を知る。 子を失った女。 環島。 海に残ったという怨みと執着。 そして、島に神社を建てた藤原清綱。 ばらばらだったはずの伝承が、少しずつ一本の線につながっていく。 やがて俺は知る。 あの手紙を書いたのは、誰なのか。 過去と未来が交わる海辺の町で、ひとつの手紙が円環を描く。 遠野物語を思わせる、伝承と私小説の奇譚。

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カクヨム
カクヨム2026/10/02
  • 現在の作品潮見物語