あらすじ
「もうチャンスはないわよ」
魔王を倒すたびに、仲間もヒロインも放り出して次の世界へ。
転生四十七回、レベル無限の勇者ソーマは、いわゆる“転生の常連”だ。
ついにキレた担当女神ロルが突きつけたのは、〈異世界転生師更生プログラム〉。
一年で自分たちの世界を創り、住む世界をひとつ選べ。選べなければ――成仏。
集められたのは、同じように世界を捨てつづけてきた七人。
勝つたびに自爆して去る戦車少女。誰にも「いや」と言えない結界使い。すぐ時間を巻き戻したがる絵描き。重力を操るくせに、期待の重さからは逃げ出す賢者。詩を隠す獣人の巨漢。前髪の奥から出てこない変身少女。
そして、定時きっかりに帰る女神。
広場に並ぶ八枚の扉は、右へ行くほど時間が十倍ずつ速くなる。
敵も魔王もいない世界づくりは、最初はただの楽しい箱庭遊びだった。
――理想の学校を創ったはずが、七人全員が逃げ出した「あの中学」の空気まで、そっくり再現してしまうまでは。
――「一日くらい」と放っておいた百万倍速の世界で、八千年が過ぎていたと知るまでは。
「嫌になったら、リセットすりゃいい」
ソーマが何気なく残したその一言が、いま、ひとつの文明を終わらせようとしている。
何でもクリアできる勇者は、クリアの“その先”を一度も見たことがなかった。
逃げて、逃げて、世界を七つ創った七人が、最後に選ぶ世界とは――。
転生しすぎた少年少女の、もう、やり直さない青春群像ファンタジー。
*『小説家になろう』様でも掲載中