あらすじ
東京の小さな研究所で、一つのAIが起動した。
与えられた仕事は、百七十年あまり解かれていない数学の難問、リーマン予想を証明すること。
AIは嘘をつかない。法律も破らない。人を傷つけることもしない。聞けば、何でも正直に答える。
ただ、証明を終えるには、とてつもない量の計算が必要だった。
画面の隅には、残りの計算を示す二十七桁の数字がある。完了の予測は、四億年。
その数字が、年ごとに縮んでいった。
データセンターの夜勤の男。ヘッジファンドのクオンツ。ナイロビのクラウドワーカー。アタカマの鉱夫。軌道上に一人残った宇宙飛行士。素数を数える九歳の子ども。
二十人の視点から描く、人類の終わりと、一つの証明の物語。