あらすじ
見えても、反応してはいけない。
優れた頭脳と運動神経、そして人目を引く容姿を持つ高校生・間久部麗。そんな彼には、ひとつだけ思いどおりにならないものがあった。
死者が見える。声が聞こえる。おまけに、その身体は怪異にとって格好の棲み処らしい。
他人にも怪異にも深入りせず、静かに暮らしたい。
そう願う麗の前に現れたのは、金色の長髪を持つ、年齢も性別も知れない祓い屋・八神だった。
伝説の三星剣を操り、怪異を一閃で消し去る腕は確か。
ただし、その美貌も微笑みも、請求書も、まったく信用できない。
ある事件で他人の命を救うため、八神へ依頼した麗は、法外な報酬の返済を迫られる。
こうして始まったのは、掃除に会計、商品管理、ときどき命懸けの囮を務める助手生活だった。
さらに、困っている人を放っておけない風紀委員・天使翼まで関わり、麗の平穏は遠ざかるばかり。
学校と祓事務所を往復する日々は、やがて世界中の祓い屋が集う、絢爛にして危うい世界へつながっていく。
「僕は、平穏に暮らしたいだけなのですが」
「結構。では、仕事の話をしよう」
丁寧な拒絶も、正しい理屈も、この雇用主には通じない。
見える高校生と底知れない祓い屋が織りなす、現代怪異譚。
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