あらすじ

戦場で散った兵士の最期の声は、「残響石」に宿る。 休戦三年目の冬。 中立都市ミルヘイヴンの郵便局「白鷺舎」に、ひとりの少女が「聴き手」として着任した。 聴き手とは、石の声を聴いて手紙に起こし、遺された人へ届ける仕事だ。 少女の名はセラ。 襟巻きの下の首筋には、三本刃の刻印がある。 王国の部隊「灰の刃」で、刃として育てられた証だった。 声を一語も漏らさず書き写した最初の手紙は、局長に「これは手紙ではない」と突き返される。 人の心の読み方を知らないまま、セラは元敵国兵の青年カイと組み、国境の鉄橋の向こうへ声を運ぶ旅に出る。 その留守に、白鷺舎から四十一の石が盗まれた。 現場には、黒い鴉の羽根の木札が残されていた。 同じころ、セラに名をくれた隊長ロウェルの石が、灰の丘から何者かに掘り出されていたこともわかる。 砲声にかき消された「セラ、生きて――」。 その続きを、彼女は聴くことができるのか。

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カクヨム
カクヨム2026/10/02
  • 現在の作品戦場で死んだ兵士たちの最後の手紙を届ける代筆人の少女は、自分宛ての一通だけをまだ開けられずにいる