あらすじ
西暦2137年、労働の9割をAIに奪われたスラム街。
屑鉄拾いで泥水をすする青年・藍夢(アイム)は、粗悪な覚醒剤の熱の中で、世界を揺るがす空前絶後の風刺劇――『不可視のオートクチュール』を閃く。 「バカには見えない布地で仕立てた服を、無能の露見を恐れた役人どもが褒めそやす」 一発逆転の契約金を目当てに、全財産の35万ジェンを握りしめて厚生治安省の窓口へ駆け込む藍夢。しかし、無機質な受付嬢が告げた審査期間は「2ヶ月」、そして「さらに3ヶ月」。 持ち金を失った藍夢は、見栄と虚栄心を維持するため、神経を削り取る危険な生体治験へと身を投じていく。
光り輝く上流階級の友人、蔑んでいたスラムの仲間たち、そして肉体を蝕む薬物の禁断症状。 やがて半年後、ボロボロになった彼の手元に吐き出された通知書には、冷酷な一行が印字されていた。