あらすじ
「あなたは、この世界を愛していますか?」
七年と三千時間をかけて、灰島湊は誰も届かなかった最後の実績を解除した。その夜、画面に浮かんだ問いに、彼はなんとなく「はい」と答えた。
目を覚ますと、そこは遊び尽くしたはずのゲームの世界だった。体はレベル1。種族は、攻略wikiで「縛りプレイ専用」と書かれた最弱の灰角族。この世界では、灰角族というだけで狩られる。
それでも湊は知っている。どの崖の下に抜け道があるか。どの狼が三秒だけ止まるか。どのNPCが、いつ死ぬのか。
そして、まだ知らないことがある。ゲームでは成功率0.01%の飾りにすぎなかった固有スキル《継承》が、この世界では一度も外れないということを。
誰よりもこの世界を愛した男の、二周目が始まる。