あらすじ
人類に嫌われ続けてきた生き物――ゴキブリ。
大学院生・榊原航平は、そんな彼らに小型カメラやセンサー、通信装置を搭載した「サイボーグ昆虫」による災害救助を研究していた。
狭い隙間を進み、強い圧力にも耐え、人間が入れない場所へ入っていける。
海外ではすでに、大地震の被災地へサイボーグゴキブリが投入された実績もある。
そしてある日、航平たちの研究施設からさほど離れていない地域を大地震が襲う。
倒壊した家屋。
内部に取り残された一人の女性。
人間も救助ロボットも入れない瓦礫の隙間。
航平は、まだ実験段階にある十匹の「救助隊員」を被災地へ連れていく。
「榊原さん。これ……ゴキブリですよね?」
「サイボーグです」
「ゴキブリですよね?」
「……はい」
人類から最も嫌われている生き物は、人類の命を救えるのか。
実在する研究・災害投入事例をモチーフに描く、ちょっと笑えて、ちょっと胸が熱くなる災害救助物語。