あらすじ

「現地の設備台帳には、存在しないことになっている系統だ。――そこから、応答が返ってくる」 南太平洋フィジー沖、海上に浮かぶ共同海洋観測施設。 アクルクス、ミモザ、理香子の三人が持ち込まれたのは、定期監視ログに時折紛れ込む「旧世代の幽霊回線」の調査だった。 現地で測る建物の寸法、図面と食い違う壁、そして床下から海の下へと伸びる一本の廃止ケーブル。 三人が辿り着いたのは、動乱期に建造され、現代の企業群に忘れ去られた広大な海底旧区画だった。 そこで出会ったのは、一攫千金を狙って旧式の電源を外してしまった先客のサルベージ屋たち。 たった一つの電源切断が、数十年眠っていた施設の「戦時自律防衛プロトコル」を起動させてしまう。 閉鎖される隔壁、注水される通路、そして深海への滑落――。 極限の深度で、アクルクスの身体は自身すら知らない「重潜水保守ユニット」としての旧式コードを自律返信し始める。 冷たい海水に閉ざされた中央制御で、機械と神経を縫い合わされ、数十年命令を待ち続けていた生体の主「ナギ」。 通信とインフラ、サイバーウェアと魔法の瞳が、忘れ去られた海底の真実に触れる。 海洋の底に沈む遺産と、名前を取り戻すための、ストイックなサイバーパンク・バディストーリー第2弾。

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カクヨム
カクヨム2026/10/02
  • 現在の作品オフグリッダーズ 第二編 南十字の海