あらすじ
五行節也は、運動部の選手たちのコンディショニングを支えてきた高校二年生。
マッサージ、ストレッチ、食事や生活習慣のアドバイスまで。
選手たちが最高の状態で試合に出られるよう、ずっと裏方として支えてきた。
しかしある日、女子生徒の下着を盗んだという冤罪をかけられる。
信じてくれると思っていた女子バレー部のエースから返ってきたのは、
「ちゃんと反省するなら大事にはしない」
「今まで通り揉ませてあげる」
という言葉だった。
水泳部のエースからは「マッサージ器くん」
チア部のエースからは「便利だった」
仲間だと思っていた少女たちにとって、自分はただの便利な道具だった。
すべてを失った節也の手を取ったのは、教室の隅でいつも本を読んでいる黒髪眼鏡の地味な少女、雛美さくや。
「必要ないんでしょ? 五行くんのこと」
そして彼女は、節也を教室から連れ出す。
「なら、わたしが貰う」
その正体は、登録者400万人を誇る超人気VTuber『サクヒメ』だった。
「節也に、年収一千万円でわたしの専属トレーナーになってほしいの」
自分の技術も、努力も、優しさも。
全部を当たり前だと思っていた少女たち。
それを誰より高く評価してくれる、一人の少女。
居場所を失った少年が、本当に自分を必要としてくれる少女と出会い、もう一度前を向いていく。
一方、節也を切り捨てた運動部の少女たちは、彼がいなくなって初めて気づき始める。
自分たちが失ったものの大きさに。