あらすじ
アンリは、妻の祖母のルーツを探るため西アフリカの古い集落を訪れた。そこには、外に出た血族と村の血族を同一視し、血の総数を一定に保つ冷酷な「掟」が存在していた。長老から「欠けていた顔が来た」と告げられたアンリは、不気味さを感じて帰国するが、そのとき妻のお腹には新しい命が宿っていた。
無事に息子が誕生した数年後、妻の伯父が自室で急死する。遺体は目元の骨格が削ぎ落とされた異様な状態だった。アンリは悟る…血の計算において場所は関係なく、命の誕生と引き換えに「身内の一人」が徴収されたのだと。ほどなくして、妻の二人目妊娠が判明する。送られて来た写真の裏には「また、欠ける」の文字。血の会計処理は、終わらぬ悲劇へと再び牙をむく。