あらすじ
人生は、航海に似ているのかもしれない。
私は船のことなんて何も知らないけれど、穏やかな海ばかりが続くわけではないことくらいはわかる。
突然、嵐の中に放り込まれ、自分がどこにいるのかさえ見失ってしまうこともある。
そんなとき、船乗りたちは〈セント・エルモの火〉という不思議な光を見るのだという。
嵐の海に現れ、船を導く光。
伝説なのか、本当にある現象なのか、私にはわからない。
でも、もし本当にそんな光があるのなら、きっと人の人生にも現れるのだと思う。
心が折れそうなときや、もう何も信じられなくなったときに。
目の前でかすかに揺れながら、進むべき方向を静かに示してくれるように。