あらすじ
役立たずと追放された孵化師ミラに残ったのは、捨てられるはずの竜の卵ひとつ。
逃げる途中で出会ったのは、竜を殺すために生きてきた騎士レオンだった。
ところが卵の鼓動は、彼の胸とまったく同じ速さで鳴っている。
この子が孵れば、彼の心臓に残った竜の火種が奪われる。
それでもミラは、どちらかの命を選ぶことを拒む。
湯気の立つ古い孵化場、雨の峠、川辺の祭り。卵を育てる旅の中で、冷たかった騎士の手が少しずつ優しくなる。
これは、誰かを救うために誰かを捨てる世界で、二つの命と自分の恋を諦めない孵化師の物語。