あらすじ
小規模な出版社で編集長を務める桐島澪は、自身の趣味である恋愛小説に「エロの描写が足りない」という読者の声に頭を悩ませていた。恋愛経験ゼロの彼にとってそれは高い壁であり、一念発起して「取材」と割り切り、デリヘルを呼ぶことを決意する。
しかし、指定された部屋に現れたのは、よりによって社内で一番大人しいはずの部下・芹沢悠だった。
「なんでお前が……!」
動揺する潔癖な上司と、「ずっと狙っていた獲物が向こうから飛び込んできた」とばかりに本性を剥き出しにする隠れドSの部下。
「取材」という名目の下、夜のベッドの上で完全に主導権を握られ、容赦なく快楽と知らなかった欲望を叩き込まれていく桐島。
翌日、オフィスのデスクでは何食わぬ顔で厳しい赤入れを交わす二人。だが、その背後では、夜ごとの濃厚な関係を通じて桐島のなかに「新しい感情と経験」が蓄積されていく。そして芹沢は、その経験が反映された桐島の隠し原稿を偶然読んでしまい、「この人には、とんでもない才能がある」と誰よりも早く気づくのだった。
そんな中、弱小出版社を揺るがす最大の危機が訪れる。
ライバル会社による執拗な引き抜き工作と妨害により、会社の看板作家が流出し、倒産の危機に瀕してしまう。「この愛する場所をなくしたくない」——絶望的な状況の中、桐島はこれまで「趣味だから」と隠し通してきた自分のすべて(作品)を匿名で世に放つ決意をする。
果たして、部下の歪んだ執着と才能へのリスペクトは、上司のプライドと会社を救うことができるのか?
昼の仮面と夜の素顔、そして創作のペンが交錯する、執着と再生のラブストーリー。