あらすじ
ひと口で、材料も産地も古さも分かってしまう子爵令嬢コレット。
婚約者ダミアンからは「こいつの舌は、令嬢の舌じゃない。料理番の舌だ」と笑いものにされてきた。
隣国との和平を結ぶ晩餐会。みんなの前で婚約破棄を告げられたその夜、隣国の使者が倒れる。胡桃を口にしてはいけない方の皿に、胡桃の油が入っていた。
捕らえられたのは、若い料理人。
「何も口にするな」と言われていたコレットは、使者の皿のソースを、ひと匙だけ口に運ぶ。
「この油の味、存じております。先日のお茶会で、ダミアン様がご自慢なさったものと同じです」