あらすじ
教室の片隅で気配を消して過ごす、目立たない高校二年生――それが僕、高野瑛太(たかのえいた)だ。
女子とまともに話したことすらない陰キャなのに、なぜか今、学年でもひときわ目立つギャルに毎日まとわりつかれている。
半年前、無料キャンペーンにつられて始めたAIキャラチャット『AI人(アイビト)』で、僕は最高難易度シナリオ「男嫌いのJKギャル」の攻略に丸々二か月を費やした。
クリア報酬として提示された『永久保存権』を、その意味もよく分からないまま受け取ってしまった。
新学期初日。去年も同じクラスだったギャル、堀川寧々(ほりかわねね)が、当然のように僕にべったりとくっついてくる。
「え? エイたん、弁当派じゃなかったっけ? いつもウチと一緒に弁当食べてたじゃん」
……僕にそんな記憶はない。
一年前、プリントを渡そうとしただけで「あんたみたいなのに触られるの不快だから」と突き放した相手だ。
そんな覚えはないと言っても彼女はどこ吹く風で、僕は半ば引きずられるようにして彼女の友人たちの前に連れて行かれる。
そして――
「エイたんは、ウチの男友達!」
その一言で、僕は一気に教室中の噂の的になってしまった。
他の男子には冷たいはずのあのギャルが、僕にだけはやたらと甘い。
「今でも男の子は怖いけど、エイたんは例外っていうか?」
教室でも、放課後でも、彼女はどんどん距離を詰めてくる。