あらすじ
人類の幸福のため、科学と陰陽術によって生み出された存在。
アスター。
彼は魔力を研究し、「魔力石」や「魔石」を生み出すことで、魔法と科学を融合させた文明を人類にもたらした。
魔法文明の発展によって、人々の暮らしは豊かになり、病は減り、笑顔は増えていった。
しかし、文明が発展するほど、争い、支配、欲望による不幸もまた増えていく…
何度も問題を解決しようとしたアスターだったが、どれだけ対策しても不幸はなくならない。
そして彼は、一つの結論へ辿り着く。
人類を不幸にしているのは、文明そのものなのではないか。
人類を幸福へ導くため、アスターは自らを「魔王」と名乗り、五体の存在を「魔族」として生み出す。
文明を滅ぼすために集められた五人だったが、彼らは魔王の想像以上に自由奔放だった。
名前を巡って騒ぎ、雑談に花を咲かせ、挙げ句の果てには文明殲滅作戦の開始を一日遅らせてしまう。
やがて五人は、それぞれの地方へ旅立ち、アスター自身も東日本へ向かう。
そして、新月の夜。
アスターは東京を見下ろしながら、最後の決断を下す。
人類を幸福にするために。
自らが生み出した文明を、自らの手で終わらせるために。
これは、後に「魔王」と呼ばれる男が生まれた日の物語。