あらすじ

ダンジョンに挑み、全滅したパーティーは死なない。 ダンジョンに巣食う呪いが、動けなくなった冒険者を卵に似た殻へと閉じ込めるからだ。中の者は生きている。だが声は届かず、殻は日に日に硬くなり、やがて――孵化する。孵化した者は、二度と人には戻らない。 ゆえに街々には、殻が孵る前に駆けつけ、中の仲間を救い出す専門の救出隊がある。「割れ卵警報」が鳴れば、彼らはダンジョンへ急行する。 かつて、シェルハーヴンで最も名を馳せた救出隊があった。「スクランブル・エッグ隊」。数々の絶望的な現場から、諦めかけていた命を救い続けた者たちだ。 その隊長エグバート・ヨークハートに救われた一人の青年が、三年後の今も、この隊に残っている。 青年の名は、アルバ。 三年前、悪徳な組織に使い捨てにされ、ダンジョンで全滅したパーティーの中にいた。誰にも気づかれないまま、殻の中で孵化を待つだけだったはずのアルバを、エグバートは救い出した。その時に負った変異のせいで、アルバの体は人でも魔物でもない「腐りかけ」と呼ばれる姿に変わってしまった。それでも隊長は、彼を保護し自分のスクランブル・エッグ隊に受け入れた。 しばらくして、エグバート隊長は病に倒れ、かつて数十人を抱えた隊は、今ではわずか五人だけの、名ばかりの存在になっていた。 いずれ街の誰もが、この隊をこう呼ぶようになった。 ――ホロウネスト、空っぽの巣、と。

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カクヨム
カクヨム2026/10/01
  • 現在の作品ダンジョン・スクランブルエッグ