あらすじ
十一年間、バレエだけを続けてきた青山美月。
誰よりも努力し、正確な技術を身につけた彼女に、教師は残酷な言葉を告げる。
「あなたの踊りからは、何も感じない」
才能が欲しい。
誰かの心に残る踊りがしたい。
ただ一度でいいから、自分を見てほしい。
そんな美月は雨の夜、見覚えのない古い店で一枚の白い仮面と出会う。
その仮面をつけた瞬間、彼女の踊りは変わった。
美しく、完璧に――誰も目を離せないほどに。
しかし、その仮面には一つだけ守らなければならないことがあった。
――音楽が終わったら、決して踊り続けてはいけない。
それでも美月は、もう一度だけ仮面を手に取ってしまう。
十一年間、どれだけ努力しても手に入らなかった「才能」を、ようやく手に入れてしまったから。
これは、完璧な踊りを求めた少女が、自分自身の踊りを取り戻すまでの物語。