あらすじ
名前だけは立派な《未来確定》。唱えても、何も起きなかった。
交通事故の記憶を抱えたまま、異世界の水路脇で目覚めたユート。認証板に記されたのは、自分で名づけた《未来確定》と「観測なし、認証なし」の文字だけ。食事と寝床を得るため、運河の荷揚げ場で働き始める。
そこで出会ったのは、帳簿と作業記録を読みこなす一方、奴隷として現場に縛られた少女リア。仕事を終えればユートは宿へ帰れるが、リアは帰るにも許可がいる。
係留索の結び方も知らない転生者と、記録の食い違いを見抜く少女。二人は熟練の作業員に教わりながら荷受けと水門点検で協力し、仕事の成果だけでは動かない身分制度に向き合っていく。
リアの自由を巡る手続きと再検査が、やがて職業欄と転生の謎を開いていく。
相棒との共同作業、現場の工夫、世界の仕組みの謎を描く異世界冒険ファンタジー。