あらすじ
空気は壊せたのに、“ちゃんとしなきゃ”だけ壊せなかった。
あらすじ
Rain Crownの凪野乃々香は、明るく人懐っこく、張りつめた空気を一言で壊してしまう存在。誰も口を開けなくなった瞬間でも、乃々香が何かを言えば、なぜかみんなが笑う。本人は特別なことだとは思っていない。ただ、重たい空気が苦手なだけだった。
そんな乃々香には、ずっと叶えたい願いがある。
いつか、自分もメインメンバーに選ばれたい。
これまで何度も名前を呼ばれない側にいて、前を走る仲間たちの背中を追い続けてきた。そして次作。ついに発表の場で「凪野乃々香」の名前が呼ばれる。
待ち望んでいたはずなのに、最初にこぼれたのは歓声ではなかった。
「……え、私でいいの?」
選ばれた責任を意識するほど、乃々香は少しずつ変わっていく。冗談を言わなくなり、ミスをするたび謝り、休憩中も一人で振付を確認する。
「ちゃんとしなきゃ」
そう思えば思うほど、いつもの笑顔が遠くなっていく。
そして、初めてメインとして立つ大舞台が近づく中、仲間たちは気づき始める。
最近の乃々香は――あまりにも乃々香らしくない、と。