あらすじ

婚約者のアドリアンが帰ってくるはずだった、第一日曜日の午後。 オデットはいつものように、二人分の紅茶を淹れて待っていた。 けれど届いたのは、本人ではなく一通の手紙。 『帰還は三か月ほど延びることになる。君なら今回も分かってくれると思う』 延期は、これで三度目だった。 アドリアンが仕事を大切にしていることも、自分を愛してくれていることも、オデットは知っている。 だからずっと「大丈夫」と答えてきた。 けれど、その日オデットは初めて考える。 自分は一度でも、「待ちたい」と言っただろうか。 冷めた二つ目の紅茶を捨て、カップを戸棚へしまったオデットは、これまで二度断ってきた公文書院からの誘いを受けることにする。 誰かの帰りを待つためではなく、自分の一年を自分で選ぶために。 これは、互いを嫌いになったわけではない二人が、一度「待つこと」をやめて、もう一度これからを話し始めるまでの物語。

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小説を読もう2026/10/01
  • 現在の作品二人分の紅茶を淹れるのは、今日でおしまい